ルビーの指環〜ザ・ベストテンで12週連続1位

寺尾聰といえば、1981年にザ・ベストテンで12週連続1位を獲得した「ルビーの指環」が大ヒットした歌手としても有名な俳優ですね。35歳以上の半数の人が「くもり硝子の向うは風の街、問わず語りの心が切ないね・・・」というフレーズから始まる「ルビーの指環」を口ずさむことができるのではないでしょうか。

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寺尾聰と黒澤映画〜日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞

寺尾聰はまた、1980年代後半から黒澤明監督の一連の作品(「乱」、「夢」など)に連続して出演し、2001年には「雨あがる」に主演し、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した、日本を代表する実力派俳優としても知られています。2005年にヒットした映画「半落ち」での演技を高く評価され、2度目の日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞しています。歳を重ねれば重ねるほど、演技に渋みと深さが増し、円熟味あふれるようになりましたね。ちなみに、寺尾聰の父親は劇団民藝の創設者であり、日本の演劇界を長年引っぱってきた名優、宇野重吉です。もう亡くなりましたが、最近、寺尾聰の表情やしぐさがなんとなく亡くなった宇野重吉に似てきました

寺尾聰と刑事ドラマ〜石原軍団の一員として活躍

日本レコード大賞と日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を両方を獲得し、その演技力の高さには評判のある寺尾聰ですが、意外なことに(?)、刑事ドラマとは縁があるのです。ルビーの指環(「指輪」ではなく「指環」と記します)がヒットする以前や直後にも、石原裕次郎率いる「石原軍団」の一員として、日本テレビの「大都会 PARTIII」、テレビ朝日の「西部警察」に刑事役で出演していました。石原軍団といえば、派手なアクションシーンや爆破シーンで有名でしたね。「大都会 PARTIII」では捜査課捜査員であった牧野次郎役、「西部警察」では西部署捜査課・松田猛刑事(リキ)役で一躍人気者となりましたね。特に「西部警察」でのリキの壮絶な殉職シーンは忘れられません。また、1986年11月から1987年2月までの期間において全12回にわたって放送された「太陽にほえろ!PART2」にも、七曲署」捜査一係の喜多収刑事(通称オサム)として出演しました。

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NHK土曜ドラマ「刑事の現場」で好演

そして、2007年の第58回NHK紅白歌合戦に26年ぶり通算2回目の出場を果たした寺尾聰は、NHK土曜ドラマ「刑事の現場」(2008年3月から4回にわたり放送)に主演しました。この刑事ドラマは、寺尾聰と同世代である団塊世代の大量退職により、この数年で全刑事の4割にあたる約10万人のベテラン刑事が退職し、世代交代が進んでいる、厳しい警察の現場の現状を伝えた作品で、愛知県警の協力を得ながらドラマ化が実現した経緯があります。寺尾聰が演じた伊勢崎刑事は、森山未來が演じる若手の加藤刑事の成長する姿を時には厳しく指導し、また時には温かく見守るベテラン刑事でした。温厚で優しく、人生そのものに深みを感じさせる寺尾聰にぴったりの役柄でした。

父・宇野重吉の境地を目指して

1947年生まれの寺尾聡が「大都会」や「西部警察」に出ていたときのような激しいアクション系の刑事ドラマに出演することはもうないと思いますが、「刑事の現場」でみせたような渋さと男の円熟味を内面から自然にかもし出すような刑事ドラマには再度出演してもらいたいですね。多くのセリフを語らなくても、その目の表情だけで勝負できる数少ない俳優である寺尾聡の今後のさらなる活躍に期待したいと思います。15年後にはなんとなく父親の宇野重吉のような存在になる気がします。